この度、歴史と伝統のある第49回日本膵切研究会の当番会長を仰せつかりましたこと、大変光栄に存じますとともに、重責に身が引き締まる思いを感じております。
 1984年に故宮崎逸夫 金沢大学名誉教授、永川宅和金沢大学名誉教授、高田忠敬帝京大学名誉教授らが中心となり“PD懇談会”を立ち上げられ、1988年に日本膵切研究会と改名されたのちも年々発展し、まさに膵臓外科医の夏の祭典といえる研究会と思います。これも膵臓外科に対する熱いハートをもった会員の先生方が、膵疾患の外科治療に関する手術手技や治療方法、基礎研究などに対し、夏の暑さに負けない熱い討論を戦わせてきた賜物と考えております。膵疾患の治療は日々進歩していますが、膵癌の予後は良くなったとはいえ、まだ満足のできる域には至ってはいません。膵切除術の合併症もゼロになっていません。今回の第49回日本膵切研究会における全員参加での討論が、まだまだ未熟ともいえる膵疾患の外科治療の進歩の糧になればと思っております。

 最後になりましたが、新型コロナウイルス感染症により生活様式が大きく変わってしまいました。然しながら、その中で恐らく直接討論をすることの大切さを実感しているのではと愚考します。2022年8月19日・20日に滋賀県の大津市で開催させていただく第49回日本膵切研究会が、先生方と直接討論することで膵臓外科学の進歩を推進する場になることができれば幸いです。多数の皆様のご参加をお待ちしております。

第49回日本膵切研究会 当番会長
滋賀医科大学 外科学講座(消化器・乳腺・小児・一般外科)
谷 眞至